Photographerたかはしじゅんいちさんの講演から
昨夜は以前からお世話になっているフォトグラファーのたかはしじゅんいちさんの講演&実演会に参加してきました。面白かったです!(私のFacebookの写真も撮ってもらったものです)
まず、最初に、改めて“凄い”経験をお持ちのプロフェッショナルなんだと理解し、「じゅんさん、また撮ってよ」と軽く言っていた自分を反省しました。じゅんさん、すみませんでした!(笑)
「話すのは得意じゃない」とおっしゃっていましたが、とんでもない!とても分かり易く、静かな語り口調にも情熱が伝わる“プロ!”を感じさせていただきました。本当、学び多かったです。
NYでゼロから初めてどうやって仕事をやれるようになったかという話を聞かせて頂いたり、ロンカーター、アーサーミラー、ジェニファーロペス、松たか子等の撮影秘話を成功失敗談含め話して頂いたのですが、プロとプロのぶつかり合いがひしひしと伝わる話でした。ひとつひとつの話に分析と戦略とストーリがあり、なるほど、さすがプロ!と感心し通しでした。(失礼!) 師匠の立木義浩氏の言葉として「条件が揃えば素人でも良い写真は撮れる。条件が悪い時に良い写真が撮れるのがプロ」という話の紹介がありました。昨日のじゅんさんの話も思い通りに行かなかった話が沢山あったのですが、彼は、常に経験後にリフレクションして分析、それを自分なりに整理し、自分なりにシステム理解されている。だから、話が深みを持って伝わってきて面白く、プロフェッショナルを感じることができたように思います。やっぱり、どんな世界でも、サラリーパーソンでも、アスリートでも、フォトグラファーでも、トッププロは、(実は自分で意識もせずに)内省から自身で成長ルーチンを作っているのだろうと改めて気づかされました。
もうひとつは、私の質問に答えていただいたのですが、「NYで長年活躍した後に日本に帰ってきて何が難しかったですか?」という問いに、“日本は現場で決定、判断出来る人があまりに少ない。結果あれもこれも撮ることになる。そしてクリエイター同士が議論する、意見をぶつけ合う習慣がない。だからそれ以上の作品にならない。” プロがプロとしての専門性とプライドをぶつけ合い、その中から、だからこその作品が生まれる環境がないと受け取りました。無茶苦茶、共感でした!本当、ビジネスの世界はどこも一緒ですよね。これでは、世界に出ていけない。ヤバイ!
参加者から希望者のポートレート撮影実演もあったのですが、ちょっとした(でもそれがプロ)位置関係や光や距離の調整で、被写体の表情やイメージが全く変わってくる、硬くも柔らかくも見せられるし、何より、目的があって目的にあった写真を戦略的に撮るのだという説明と実演は目から鱗でした!
ここではうまく伝えられていませんが、掛け値なしに“プロ”というものの一端を見せていただき、背筋が伸びた2時間でした!