日大アメリカンフットボール部問題報道をみて、あなたは何を思いますか?

投稿者 aas 日時 2018年5月19日

日大アメフト部の危険プレー問題、気が付くとえらく大きくなってしまいましたが、皆さんはどう捉えられておられるでしょうか?もちろん、起こった事実は許されるものではないですが、特定選手が悪いのか監督が悪いのか、選手が加害者か被害者か、そんな議論に乗っかっているだけで良いのでしょうか?

ちょっと、いきなり脱線しますが、私は元々、そんなにアメリカンフットボールの強いファンではありません。ルールくらいは理解していますし、アメリカ留学時はホームゲームは欠かさず見ていましたが、私の世代では、そもそも、現役学生時代には母校の慶應ユニコーンズは正式な体育会にもなれていなかったですし、、、。関西出身の私は、余りに強すぎた日大篠竹フェニックスよりも、関学と京大の関西No.1決定戦の方に興味がありました。ただ、今住んでいるところが、日大フェニックスの練習グランド近くで、選手たちも通学時に見ているし、ちょっと親近感があっただけにえ残念です。いずれにしても、最初アメフト見たとき、アメリカンフットボールって個々人の役割責任が明確で、アメリカらしいスポーツだな、と思ったのを覚えています。そういう意味では、今回の事件は、アメリカらしい個人主義スポーツで、日本らしい組織主義問題が起こった、、、変な感じとも思いました。

話は戻しますが、今回の事件、本当に日大の問題でしょうか?スパルタ体質の残っているスポーツ界の問題でしょうか?(背景を本当に知っているわけではありませんが)オリンパス、東京電力、東芝、神戸製鋼、、、、実は、同じ構図が背景にあるのではないでしょうか。大なり小なり、日本で多くの組織が持つ共通課題が問題なのではないでしょうか。

貴方の会社は、いや貴方はどうなのでしょうか?こんな会話を家でしていませんか?「いや、ひどいな~。これっじゃあスポーツ成り立たないじゃん!でも選手攻めるとかわいそうだよなぁ。いやいや、監督から言われたら、イヤって言えないって!」ほら、毎日の自分を重ね合わせた発言になっていませんか?

私がセミナーや研修で時々話す内容を二つ紹介します。

「日本で働く外国人の皆さんを前に日本企業の不祥事の話をしたことがあります。『最近、大きく報道される日本の大企業の不祥事問題(上で書いたようなもの)、何か母国と違うって、皆さん気付いたことありますか?日本の企業問題って、大抵の場合、問題を起こした本人の私利私欲はからんでないんですよ。自分が儲けるためとか、自分の失敗を隠すためとかではないんですよ。実は、皆、“会社のため”と思ってやっている。或いは“こうした方が上司が喜ぶだろう、困らないだろう”と、所謂間違った忖度でやっている(これは間接的には個人の私利かもしれません)ことの積み重ねなんですよね。これは、個人の問題ではなく、企業文化の問題なんです。多分、周りの人に聞いても、当事者のことは、まじめな人、良い人、出来る人、って言うんです。だから恐ろしいんです。個人の問題なら、その人をクビにすれば解決します。しかし、多くの問題の起こっている日本企業は、当事者が辞めても文化が変わらないと、何の解決にもならないのです。実は、結構、大きな問題なんですよ!』皆さんの会社は大丈夫ですか?」

もうひとつ。「『人は動物で唯一、納得しないと動かない動物である』という言葉があります。本当に皆さん、そうですか?普段、会社で、納得できずに動いていることだらけじゃないですか?『納得して働けた方が楽しいし、皆もモチベーション上がるよね』確かにその通りですが、そんな綺麗ごとだけを言っているのではありません。納得しているかどうかで生産性にも影響が出ますし、納得して動いていないと想定外の時に対応が取れません。そして、これが続くと脱線していることにも皆が気づかなくなってしまいます。何より、納得するということは、個が思考しているということです。やはり、個が自分事として捉えて、考えたうえで納得という判断して動くことが、組織マネジメント上重要です。」

余り単純化して語りたくはないですが、強い個の集合体ではなく、組織力で力を発揮する日本型組織の落とし穴ではないでしょうか。

今回の日大アメフト部問題も、選手が加害者ではなく被害者だという論調も段々出てきていますし、監督なのか部の責任者なのか、大学体育会全体の問題なのか、、、みたいになっていますが、(もし仮に)監督が指示していたとしても、200人いる部関係者の中から一人も「監督、それは間違っています。やめましょう!」という人が出てきていなかったとすると、それが一番の問題なのではないでしょうか?

皆さんの所属組織は大丈夫ですか?

あっ、ところで、これを“組織の問題”という“言葉”にしてしまうとダメで、やっぱり“個人の問題”です。“個人”の集合体が“組織”ですから。自分自身の問題です。