人事に“正解”も“万能パッケージ”も存在しない!

投稿者 aas 日時 2020年12月23日

人事の皆さん、マネジメントの皆さん、肝に銘じてください。人事には、“正解”も、万能“パッケージ”も、存在しないのです!

ちょっと雑誌ネタをフライングだが(人事実務2月号で法政大学石山教授との対談でこの話がでる予定)、、、ジョブ型の話を色々なところで書かせて頂いたり、話していて、とてもモヤモヤ思っていたことがある。人事は未だに正解を探していないか?そんなものは存在しない。常に環境が変化し、常にビジネスに変化が求められる現在、人事も常に変化を追い求め、考え続けるのが正解だろう。その辺に正解が落ちているわけではない。

この夏、コロナ禍の在宅勤務の中で突然湧いて出たようなジョブ型議論。まるでジョブ型が何かの救世主のように語られたり、ジョブ型かメンバーシップ型かの二者択一が論じられたり、、、なぜ、そうなるのか?在宅勤務で時間管理ができなくなったから?コロナ禍で業績が落ちたから?その理由は、私も理解できないところがあるが、少なくともジョブ型は万能な救世主ではない。

先日、ある企業の人事部の方に「やっぱり、今人事制度を変えるならジョブ型ですかね?」と聞かれた?「はっ?」としか答えようがない。これは極端な例だろう(だと思いたい)が、少し勉強してジョブ型への変革が簡単にはいかないと分かった人事では、ジョブ型とメンバーシップ型のミックス型とかブレンド型と言い出した。それも言うほど簡単ではないと思うが、その考え方を否定はしない。しかし、今度は「ミックス型のベストモデルはどのようなものか、ベストモデルがどこにあるか」を探し出していないだろうか。そんなものは存在しない!自社の哲学、理念、ビジネスモデル、マネジメントのマインドセット等々から、ベストモデルを自分たちで考えるしかない。自社どころか、自社内でもビジネスによって、どのような人事が適しているかが違うことも、ちょっと考えればわかるだろう。世の中に万能の正解が転がっているわけではない。正解を探すのではなく、自分たちで議論し、討論し、考え、考え、考え抜いて、自社にとってのベストを模索し続けるのが人事ではないのか。(相変わらず事例研究が好きで、でも事例を研究して「うちの会社には合わないな」とか言って、次の事例研究にと渡り歩く、、、そろそろ無意味な行動は止めませんか?)

そもそも、人事をジョブ型にするか、メンバーシップ型が良いかというのは、人事制度の話ではない。経営哲学の話だと思った方が良い。人事とは経営そのものであり、ビジョンを実現するためのものであり、何かを解決するツールではない。