ライブ配信Webセミナーを利用しての感想

投稿者 aas 日時 2020年2月27日

昨日、参加予定だったコンファレンスのライブ配信への実施形態変更に加え、聴きたかった?参加したかった?中国からのライブネットセミナー2本にWeb会議と、自宅オフィスから複数のイベントx複数のシステム参加を経験した。その経験から、自分なりの気づきがあったので、感想としてまとめておく。

ひとつは、PwCの年に一度の大きなコンファレンスで、毎年ダボス会議で発表されるCEOサーベイ結果を受けて、外部識者も多く招いてのもの。多分リアルだと1000名程度の出席者が想定されたと思うが、ライブ配信は300名程の参加者だった様子(テーマはDX時代のマネジメントだったが、内容はPwCホームページを参照願う)。後の2つは共に上海在住の友人主催の中国でのコロナウイルス騒動に絡めたもの。ひとつは、匠新の田中さんが各月程度で実施されている中国と日本をつないだ“中国双創ナイト”の一環で、昨夜は「中国スマートシティxコロナウイルス」と銘打って、中国在住ジャーナリストの方々ゲストなど5人をネットでつないでのパネルで、中国や日本から数十名が参加していたと思われる。もう一つは、PFC上海在住の安田さんが、この1.5カ月の彼の実体験からの気づきと学びを“”と銘打って生々しく配信されたもの。これはリアルに気づきが多かった。なるほどね!の連続だった。その他に、通常の打ち合せをひとつネットで行った。

昨日一日で使ったシステムは、PwC独自のWeb配信システム(googleベース?)、Zoom、UMU、Slido、Vimeoだった(他にも、私が気づかないところで、使っていたシステムはあるように思うけど、、、)。 そこで、感じたことをまとめる。

*    一方的に受けるだけでは、よほど内容が面白くても、集中して聴けるのは1時間が限度。集中途切れても聴き続けるのは2時間が限界(私は)

*    長時間になると、思った以上に疲れて、集中できない!

*    半日とか一日のイベントをディスタンスライブ配信で行おうと思うと、かなりの知恵と工夫が必要と感じた。ゲームしているときはそんなことは全くないのだろうから(私はやらないが)、ゲーミングから学ぶものは多いのかもしれない。

*    プレゼンターの顔(ライブプレゼン)と資料映写の切り替えと、それぞれの映写時間のバランスが重要。聞き手でどちらを見たいと思っている人が多いタイミングかを意識しての切り替えが重要かつ難しい。基本は、スライド一枚か繋がった数枚の前後で、重要ポイントを強調するタイミングでプレゼンターを映すのが効果的と、私は思った。

*    例え質問を受けるだけでも、双方向のやり取りがあると、うんと臨場感が出る。(これは、こんなに違ったんだ!と受け手に立って再認識!)

*    質問を受けたプレゼンター側が、質問者の名前を呼ぶことの重要性を再認識。本人以外も参加者とプレゼンターの距離感がグッと縮まると感じた。(私は)

*    質疑だけだと、参加者が限定されるので、ネットの利点を使って、アンケート調査なような皆の意見がグラフや絵図で見えるようなライブ感ある仕掛けは有効。

*    ディスタンスになると、PC、或いはTVの大画面で参加している人もいれば、スマホで移動中に参加している人もいると考えられ、その辺りでも見せ方に意識は必要か。

*    質疑や議論を双方向とも映像や音声を使おうと思うと、かなりネット環境が良くないと辛い

結果、一日を通して思ったのは、

*    大人数を相手にプレゼンを画面を通してやるのと、少人数で車座でのディスカッション的なモノとではかなり異なり、それぞれに合わせた方法論がある。ただ、これはリアルな場でも同じで、何百人の前で訴えるプレゼンと、10名程度の人達の懐に飛び込むプレゼンは違うのと同じか。

*    昨日の経験だけから、自分がプレゼン側において考えると、大人数相手のプレゼンテーションの方が難しいなとイメージが持てなかった。私の場合、相手が10名でも数百名でも、最初の数分でターゲットを何人か決めて、その人達の表情を見ながら自分の話のトーンや言葉の使い方も決めているところがあるので、一方通行の配信は難しい。ただ、数百人を超える単位を相手に話す場合は、元々一方通行であり、変わらないように思う。

*    いずれにしても、私としては、やっぱりFace to Faceの方がいいなとは思った。その理由は、やはりお互いの気持ちのところが伝わりやすいというか、相手の表情が見えないと作れない臨場感があり、その場の雰囲気で何かが生まれる可能性が高いように思う。(too昭和?)アーティストがライブにこだわるのと同じ感覚か。

*    多分、人対人の空間は画面を通すとリアルには勝てない。だが、システムを通すからこそできることが多々ある。というか、まだ全然開発されていないだろう。システムを通すからこその仕組みを入れ、使い方を工夫すべきだろう。そこから新しい形がこれから生まれる。

*    ただ、限定人数で双方向システムにすると、これは使いようによっては使える。何より、FtoFだったら手が上がらない、声の出ない日本人から、質問が出る、意見が出る。良し悪しは別として、議論を起こすきっかけになることは間違いない。若者にLINEに頼らず話せ、とか言っているおじさんたちも結局は同じ。ただ、顔が見えないだけに間の取り方は大事。

*    結果として、FtoFとWebシステムの併用はアイデア次第でかなり色々な発展ができそう。グループディスカッションのきっかけに使うとか、研修やワークショップ後のさらなる深堀に。(私の場合、大学の授業ではUMUでそういう使い方を始めてはいます。)リアルなグループディスカッションは6名程度が限度だが、ツールの使い方次第では、さらに多くのメンバーでアクティブな議論が可能かも。

*    さらに、ここにガンガン、リアルタイムで外から情報が入ってきて、その情報で議論が膨らみ、さらなる発展や新たな展開が生まれるような、イノベーションを起こす場の創造にもつなげていけそう。(これはトライしてみる価値あり!)

*    というようなことを、私などが設計するのではなく、自然発生的に起こるのがあるべき姿らだろう。事実、中国では、セミナーや研修の場ではなく、社会の場で、そのような実験が行われているといえそうだ。ただ、その背景には、絶対的な基盤となるシステムが10億人に行き届いていることがある。

(今回は、1対多人数のケーススタディであり、1対1は全く別もの) 

少々とりとめもなくなったが、新しいWebツールにディスラプトされる前に、今年は、色々トライして取り込まれず取り込んでいけるようにしたい、と改めて思った一日だった。