President Duterte @Manila
今週はフィリピン・マニラに来ています。Asian Regional Training & Development OrganizationのInternational Conferenceにスピーカーとして来ているのですが、私ももう一つの来比目的、ドゥテルテ大統領の人気の背景について、こちらで聞いた私の理解を書きます。
まず、やはり、さすがに100%支持ではないようです。やはりポールでは80%台の高い指示のようですが、私の話したフィリピン人の人たちの中では、60%が明確に支持を表明口も滑らか!、30%が色々ポジティブ面を説明はしてくれるけど手放しで賛成ではない感じで、10%が反対派って感じでした。これが、マニラで大卒に聞いている数字なわけですから、すごい支持率ですよね。
フィリピンは東南アジアの中では、タイと共に経済発展のスタートは早く切れたはずなのに、経済成長は3歩進んで2歩下がるって感じできて、やっぱり思ったように進んでいなかった印象です。成長はしているものの、貧富の差が大きく、それでも周りの国のような大金持ちが周りに見えるわけではなく、中間層もまだまだ弱いイメージです。こちらの人に話を聴くと、ライバルとしてベトナムやインドを上げていましたが、ベトナムよりは遥かにスタートは早かったはず。インドとは英語力を生かしたアウトソース先としての争いの話であり、個人的には本当にそれでよいのか?という印象を持ちました。(英語といえば、ひと昔前と違い、まあ皆さんきれいな英語を話されますが、教育が皆英語になってきて、最近の子供はタガログ語をあまり話せない子も出てきたと聞きました。)
この停滞というか、成長のもがきの背景に、大統領を筆頭に、過去、政治家と役人の腐敗の問題が大きかったようです。腐敗はひどかったと言います。その反動が、今回のドゥテルテ大統領という選択だったようです。
海外では麻薬撲滅のための強硬姿勢ばかりが強調されて報道されていますが、彼がやりたいのは基本的には中央政府の腐敗の全廃。そこに国民が賭けたということのようです。表に出ているもの、出ていないもの含めて、実は麻薬ビジネスにも手を染めている政治家や役人も多数いるとのことです。まずはそこから絶つというのがドゥテルテの公約で、当初は3か月で全廃とうたっていたものの、大統領になって動き出してみたら、思ったより広がりがあり、公約の3か月を延長してほしいと国民にも話したとのことです。
要するに、彼が撲滅したいのは、麻薬ではなく(もちろんこれもですが)、中央省庁の腐敗であり、実直に多数派の中間以下の国民目線で国を立て直したいということのようです。こう聞くと、とても分かり易く、納得できます。
ドゥテルテ大統領は故郷のダバオ市長時代から全国区で有名であり(多選規程に引っかかり間が2度空くが、延べ23年間市長を務めた)、変革リーダーとしては知られていたが、所詮田舎の市長であり、言葉使いに品がなく過激で、ビジネスを全く理解できていないため、マニラの中心地(ビジネス街)では決してドゥテルテの人気は高くなく、大統領選挙になっても、必ずしも当選するは思われていなかった人も多かったようです。しかし、ふたを開けてみると、他候補の票数を全部集めたより多く票を獲得しての圧勝だったそうです。当初はマニラのビジネス街では不安もあったようですが、彼は、自分の得意でなく、うまく上昇気流に乗っていた経済政策については、それまでの担当者にそのまま任せてしまい、彼は腐敗の撲滅と社会の再設計に勢力を使うという構図になり、それらがうまく動き出して、ビジネス界でも彼のバックアップを始めたという構図のようです。他にも市民を集めて大統領のタウンホールミーティングを実施し、TV中継するという予告も目にしました。私がホテルでパンフレットを手にした月末の投資フォーラムでも、大統領本人が2時間話す予定になっています。間違いなく、プレゼンスはありますね。
大統領の話を聴くと明らかに嫌な顔をして批判を始めた反対派も、トランプとは違う、庶民のことを理解して庶民の立場から国を良くしようとしている人だ、口が悪いだけ、と擁護していた。