IMD OWPに参加して(1)
あっという間に1.5か月がたってしまいました!スイスから帰国後、またまた仕事に追われて書くのが遅くなりましたが、6月26日から30日の一週間、IMD(International Institute for Management Development)のExecutive Leadership Program、OWP(Orchestrating Winning Performance) programに参加してきました。
プログラム参加中は、毎日、Facebookにその様子と一日の学びを少し書いていましたが、ここでもう一度、ブログにまとめておきますので、よろしければご笑読ください。
IMDはご存知の方も多いかと思いますが、スイス・ローザンヌ、レマン湖の畔にある世界トップランクの、エクゼクティブ(幹部)教育に特化したビジネススクールです。
今回参加しOWPプログラムは、世界55ヵ国から339名が参加し(今までに出会ったことのない、Kosovo、Benin、Surinameなどの国からの友人もできました)、毎日朝7:30から夕食まで12時間以上キャンパスに缶詰のプログラムでした。一日三食をキャンパスで取る5日間でしたが、想定していた以上の多くの気付きと学びを得られるとともに、とにかく楽しい5日間でした。
まず、簡単に一日のスケジュールを紹介します。日によって若干の違いはありますが、まず朝7:30から1時間、フルタイムMBA Studentsのプロジェクト発表を聴き、我々OWP参加者とQAするというものがありました(参加は自由です)。 AIによるAutomation化のOptimistic scenarioとPessimistic scenarioを二つのグループが準備してきて発表し、我々とQAするなどとてもユニークで、毎日、朝から面白かったです。
その後の1時間は、毎日異なる教授からのPlenary Sessionです。Leadership, Strategy, Marketing, Globalization, Digital age, Sustainability、、、などの8つのクラスから4つを選んで参加します。どのクラスも、調査結果や実事例を挙げて、想定外のことろからのアプローチでチャンレンジされます。あっという間の1時間でした。Globalizationは止まってきているだろう?本当に進むと思うか?というチャレンジングな授業も面白かったです。しかし、一番強烈に印象に残った(多分、参加者全員がそうでしょう)のは、Prof. Tawfik Jelassi(チュニジア人)のリーダーシップの授業。彼は、長年INSEADで教えた後、アラブの春の発端でもアあったチュジニア混乱時に暫定政権に大臣として招集されて、一年間本当に命を懸けてリーダーシップを実践してきた人。我々平和ボケ人間が何を学んだかと聞かれると答えが難しいですが、国民の命と国の将来がかかった究極のリーダーシップの話は、ズドン!ときました。
30分のnetworking休憩の後、10:00~12:30。Lunch & networkingをはさんで、14:00~16:30。2時間半のクラス2つが、自分の選択したメインのクラスとなります。 2時間半x5日で、12時間ほどのコース2つを一週間で学ぶことになります。今回、私は、午前中にShulomo Ben-Hur教授(日本語訳の本も出ています。「企業内学習-戦略なき人材育成を超えて」)の“Winning Through Talent”というコース、午後はRobert Hooijberg教授の“Creating a Winning, High Performance Culture”というコースを取りました。
午前中のBen-Hur教授(映画以外にこの名前の人に初めて会いました!(笑))の授業は28名程度の小クラスで、毎日ケースなどのリーディングアサイメントもあり、ディスカッションの多いクラスでした。Talent ManagementのトレンドやホットなGeneration Gapの話など、とても分かり易く、少人数なのでengageしやすいクラスでした。何より、私はShulomo先生がとてもお気に入りになりました!
午後のRobertの授業は、約100名の大きなクラスで必ず合間には数名でディスカッションも入るのですが、“授業”って感じでした。ゲストスピーカも入れながら、こちらもCultureや組織って結局個の集合体だよね!というような話をホットに議論されました。結構内容はハードで結構ついていくのも大変でしたが、私も一度はちゃんと笑いもとったし!楽しめました。因みに、Robertは先日発表されたIMDxPwC主催のリーダーシッププログラム(様々な企業から参加できる公開型プログラム。日本で開催で、第一回は2018年初旬を予定)の主任教授で来日予定です。
ところで、驚きは、この2つの2.5時間の授業は、共に休憩時間なし!間でグループワークの最中に抜けることは可能だけど、、、2.5時間休憩なしは驚きました。というか、自分で判断して行動しろってことなのでしょうね。
その後、1時間は自由参加時間で、Activities for the Complete Executivesと題して、マインドフルネス、ヨガ、プレゼンテーションなどの外部講師プログラムが用意されており、個々人が自由に参加し、身体を動かしたりリラックスして学びます。これも、日本にはないパターンで面白いなと思いました。PwCでパートバーになった時の新任パートナー研修で、Work Life Balanceの講義を受けたことを思い出しました。プレゼンテーションの講義で、“つかみは最初の40秒!”と言われ、「えっ、40秒?!」と思ったのが、印象に残っています。
そして最後の18時~19:15が、Keynote Speaker Sessions。今年は、皆さんも最近よく目にするUN主導のSDG(Sustainable Development Goals、日本語では持続可能な開発目標とかグローバルゴールズ)のトップ Lise Kingo(CEO & Executive Director of UN Global Compact)、元F1チャンピオンのMika Hakkinenと元ルマン24チャンピオンのAllan McNishにモデレータがNeuroscientist企業家のJames Hewitt、 ロジテックCEOのBracken Darrell(全員にSpotlightがプレゼントされるという特典付き!)、そしてIMDのProf. Arturo Brisが毎年IMDの行っている“The World Economy in 2017”の調査結果から読み取るグローバルトレンドの解説でした。
毎晩、締め括りは、Networking Dinnerが学校のレストランでしっかりと毎夜趣向をこらしたブッフェディナーがあります。これも、疲れも忘れて、わいわいがやがやの楽しい時間でした。最終日は、オリンピック博物館内でのディナーです。先生方やスタッフも参加して、博物館最上階のテラスからグラス片手にレマン湖とアルプスを眺めながらという(実は天気は悪かったのですが、、、(笑))、中々おしゃれなラストでした!
本当に楽しく学ぶを絵に描いたような一週間でした。改めて今回の素晴らしさは、まず生徒が先に書いたように55ヵ国から、しかも経験豊富な大企業の管理職や役員、企業家が集まっていること。それに加えて、教授陣がビジネスをアカデミック視点から語り、アカデミアをビジネス視点から捉えられる、経験豊富な、しかも多様な教授陣でしょう(ひとりとして同じ国、同じようなキャリアの先生には行き会わなかった気がします)。 そして、まあ見事に皆さん、人が良い!明るくフランクで話し易い。多分、これも採用基準なのでしょうね。こんな場が日本で作れれば、世の中少しは変わるんだろうなと思いながら帰国の途につきましたが、さすがにグッタリでした。