コロナウイルス対策から学ぶDX時代のリーダーシップ

投稿者 aas 日時 2020年3月27日

これからのリーダーシップに求められるKey Competenciesは、次の4つ。① Humble (謙虚さ)、② Adaptable (順応性)、③ Visionary (ビジョン)、④ Engaged (エンゲージメント)

それにより、そのリーダーの率いる組織は、a) Hyper-Awareness(高度な察知能力)を持ち、b) Informed Decision-making(情報に基づく意識決定)ができ、c) Fast Execution(迅速な実行)が可能となり、DXの時代を生き抜き、リードできる組織となる。

これは、IMDのMichael Wade教授(「Digital Vortex (対デジタルディスラプター戦略/日本語版)」「Orchestrating Transformation (DX実行戦略/日本語版)」(日本語版は共に日本経済新聞出版)の著者)がCISCO社と一緒に設立した研究所、Global Center for Digital Business Transformationで行った、DX時代に求められるリーダーシップ調査結果だ。

簡単に解説すると、VUCA(Volatile (変動的)、Uncertain (不確実)、Complex (複雑)、Ambiguous (曖昧))や、デジタルディスラプション(新しいデジタル技術の登場によって、それまでの商品やビジネスモデルが持っていた価値が一瞬にして吹き飛んでしまう、デジタルによる破壊)という言葉が使われるようになった時代、誰も正解を持っているわけではない。今までの過去の成功体験を基に意思決定し責任を全うするようなリーダーシップが成立しなくなった。同一業界で何十年もビジネスをやってきた人ではなく、ずっとキャリアの短い部下や新入社員、或いは全く別の業界の人が、ビジネスに役立つ情報を持っていたり、全く違う発想からのアプローチやアイデアを思いついたりする時代になった。

そんな時代に求められるリーダーは、「他人の方が私より有用な情報を持っている可能性がある」と謙虚な姿勢(Humble)で、常にあらゆる方面に対しアンテナを張り常に貪欲に情報収集を行い(Hyper-Awareness)、常に変化する世の中の環境に対して敏感に対応、正しい情報に対する変化対応であれば朝令暮改も厭わない順応性(Adaptable)を持ち、優れた情報の整理分析能力に基づき意志決定をする(Informed Decision Making)力が求められる。そして、決定したら、即座に行動に移す迅速な行動(Fast Execution)が求められる。同時に、そのような変わり身の早いリーダーだからこそ、周りの人達が安心と自信をもって行動を共にできるビジョンと信念を持つこと(Visionary)も強く求められる。そして、もちろん、環境の変化を踏まえつつあらゆるステークホルダーと一緒にビジョンの達成に対して強いエンゲージメント(Engaged、=責任感)を持つことが求められる。

さて、どうだろう? 今回のコロナウイルス騒動の中、各国各機関のリーダーの言動を考えてみて頂きたい。上記、DX時代に求められるリーダーシップが、今、各国各機関のリーダーに求められているコンピテンシーや行動に、驚くほど合致することがわかる。

国会で「それは専門家会議で出された考えですか?」「証明されているのですか?」「根拠は何ですか?」と、、、聴いていて悲しくなるのは私だけではないはずだ。根拠がないから“危機”なのだ!根拠を待っていたら間に合わないから、確実な根拠がない中で意思決定をしなくてはならない。だからこそリーダーシップが問われているのではないのか?今、企業でも、街の商店でも、個々人の意思決定でも同じことが求められている。これから益々テクノロジーが進歩し、ビッグデータアナリシス、ディープラーニング、、、、AIが当り前に稼働しだすと、なぜその答えが出たのか誰も背景がわからない情報を基に意思決定をしなくてはいけなくなる。今回のコロナウイルス騒動は、今まで誰かに指示された通りに行動することに慣れてきた日本人にとっては、将来の働き方や生き方そのものに対しての、良い予行演習機会をもらっていると考えるべきだろう。「どうすれば良いかを明確に指示してくれ」「言われた通りに従っただけだから私の責任ではない」ではなくて、国のトップから我々一人ひとりまでが、“考える”ことが求められている。

先日、ドラマ「相棒」の中で、『ディープフェイクは見破る頃ができなければ“本物”と判断されるのです』という件があったが、そういう時代、皆が見えていて、皆が100%同意してくれる正解などはなく、将来/未来に、関係する人達が「ああ、真であった。正しかった。良かった」と、できるだけ多くの人達がそう言ってくれるであろう判断と行動がとれるかどうか、それが、これからのリーダーシップということだろう。