アスリートに学ぶ「本気で取り組む」ということ ~ DXも新規事業も掛け声だけでは起こらない ~

投稿者 aas 日時 2021年12月14日

先日ある企業のお声掛けで、この夏、我々を興奮の渦に巻き込んでくれた車いすバスケットボール日本代表チーム監督の及川晋平氏と対談(オンライン配信)の機会をいただいた。
余りに多くの学びと思いをいただいたの、共有したく思い、ここに書くことにした。 

多くの皆さんもご存じの通り、車いすバスケットボールの日本代表チームは、パラリンピックでも世界選手権でも、ここ最近は予選リーグどまりで決勝トーナメント(ベスト8)に行けていなかった。それが、TOKYO2020では、決勝トーナメント進出にとどまらず、決勝まで進出し、絶対的世界王者のアメリカと互角の戦いを演じ、銀メダルを獲得した。私は、10年以上前に及川さんと知り合い、それからずっとチーム(というより、日本の車いすバスケットボール)をファンとして見てきたが、毎年強くなってきていたのは分かっていたが、リオからの5年間では、技術、体力、精神力、全てが高まり、そして何より、今大会では試合ごとに強くなる力と、勝つために作り上げられたモメンタムが異次元になっていたと感じていた。

今回、及川さんには、色々なことを伺ったが、私の心に残った言葉を以下にいくつか紹介する。

*本気で上のステージを目指すなら、過去の自分を捨てる。否定することから始める。

*世界を目指すなら、世界一のアメリカを真似していてはダメ。世界一のアメリカが真似したいと思うチームにならないとダメ。

*勝つために絶対必要で、徹底的にやった5つ。フィジカル、メンタル、テクニカル、戦略、そして勝つチームの文化・風土創り。

*一番大切なのは『信じること』。将来は誰にもわからない。何がどうなるかわからないのに、信じないことの方がわからない。勝てると信じること。メダルが取れると信じること。皆が信じてやっていると、そこからまた新しい知恵が出てくる。

この言葉をビジネスの世界、会社に置き換えて考えてみるとどうだろうか? もちろん、世界のトップを目指すアスリートと“サラリーマン”は違う。でも少なくとも自分の人生のかなりのウエイトをつぎ込む時間と場所に、もっと自分事として真剣に取り組み、自分が納得できる時間を過ごすことで、結果、自分の人生に納得感が出るのではないだろうか。及川さんの話を聴きながら、そんなことを思っていた。

今回の及川さんの話とビジネスの場面を考えたときに、特にシンクロしたのが、最近やたらと耳にする、“DX”と“新規事業”だ。「新規事業開発室を作って、優秀な人だけ集めていても新規事業は起こらない。本気でやりたいことを持っている人、新規事業を本気でやりたいと思っている人を集めないと、新規事業は起こらない」とよく話すのだが、そんなこととシンクロしながら聞いていた。

上で書かせていただいた及川さんの言葉を引用すると、「過去の自分を捨てる=過去の成功ややり方を捨てる」という話や、「体力や生い立ち、環境も違う、他社の真似をしていてもダメ。他社以上のことを自分で目指さないとダメ」、「まずは自分が本気になって“やれると信じること”」。新規事業を起こすって、そういうことなのではないだろうか。事業を起こす、新しいことをやる、ってことは、上に言われたからやるのではなく、他人の真似をするのではなく、自分が本気になって、自分を信じて、そのために自分の頭で考えて、本気で取り組む。これができていない人たちには、及川さんの話は“ガツン!”だろう。

DXも同じ。「うちもDXしなきゃ」とか「DXする」とか言っている時点でダメ(ま、言葉としてもおかしいが)。本気で何かを達成したい、何かを変えたいと強く思って、頼るツールがデジタル。DXは結果論、だと、私は思っている。 

及川さん(あるいは、あらゆる世界でトップを目指している人たち)のを聴くと、中途半端だったと気付く、あるいは自分では本気のつもりだったけれど甘かったと気づく。その本気モードのステージに行く方法論は、スポーツと仕事では、必ずしも同じではない。それでも、学ぶものは多いと思った。会社や職場で及川さんに話して頂き、その話を聴いて「何を感じたか」「何を思ったか」「じゃあ、自分事に落として考えたときに、自分たちはどうすべきか」を考えるワークショップなど、どだろうか。何かを変える、何かが変わる、第一歩となる、かなり良いワークショップやリーダーシップ研修になるのではないかな?と仕事柄考えてしまった。ご興味ありますか?(^^