東南アジアの発展から見えること

Posted by admin on July 19, 2016

もう半年経ってしまいましたが、Facebook noteでお約束して書いていなかったのを思い出しました。昨年後半、東南アジアの国々を訪れるチャンスがあり、その時に感じたことを書きます。「やっぱり、国の違いじゃなくて“発展段階という時代の違い”が大きいですね!」ってことです。北京五輪の時にニュースでも色々と中国のマナーについて言っていましたが、日本だって、私が子供だった頃、東京オリンピックがあり(1964)、大阪万博があった頃(1970)には、シャツにステテコと腹巻でオジサンは町歩いていましたし、その辺で立ちXxXしてましたよね。私が慶應義塾大学に入った時(1980)には、大学のマスコットはミッキーマウスだったんですよ、誰の許可もなく!(笑)で、1983年、東京ディズニーランド開園時、問題になり(当然のことでライセンス料支払いの話になり)、慶應義塾からミッキーは消えました!(笑)

さて、昨秋、ヤンゴン(ミヤンマー)、ハノイ(ベトナム)、ホーチミン市(ベトナム)、クアラルンプール(マレーシア)に続けて行く機会がありました。人と街の印象を簡単に書くと以下のような印象でした。  ヤンゴンは、まだ電力も不足して停電も日常茶飯事、街のインフラもまだまだこれからです。人は皆真面目で良い人ばかりです。真面目で勤勉ですが、自分で考えて行動することは苦手。まだ、全く貧富の差がなく(富がいない)、街は安全で、夜の一人歩きはもちろん問題なし。家や車の鍵もかけなくても大丈夫とも聞きました。銀行強盗は過去20年ないそうです。  ハノイは良い街ですね。生活に必要なものは一通り揃っています。そろそろ車が増え、公共交通機関が整っていないのが課題ですが、住みやすい街だと思いました。ま、軍事政権のお膝元ですから、街の統制は取れていますね。何より人が良い。皆、明るく笑顔が絶えず、真面目で、人が好きという印象でした。とても素直で前向きですね。もちろんヤンゴンとは比べ物にならないほど発展しているのですが、ビジネスの成功で本当のお金持ちが出てくるのはこれからでしょう。  ホーチミンは思った以上にハノイと違いが出ていました。圧倒的に都会ということはないのですが、欧米、特にアメリカの文化が強く入っています。当然、歴史の違いもあります。良くも悪くもアメリカナイズしています。若者の風紀も乱れだしているし、夜の街が大きな顔をしているという印象もありました。何よりショックだったのは、ホーチミンの人たちが、ハノイやカンボジアの人たちを下に見てバカにしたような発言をよく耳にしたことです。  クアラルンプールは、もちろん一歩も二歩も先を行っています。国としても街としても目標はシンガポールに追いつくことですし、中心地のビル群は東京以上の大都会です。でも、人々の生活水準がもう一歩で先進国のところにきたのは、実は最近です。5年前には、欧州ブランドを買えるマレーシア人は中華系だけだったイメージです。マジョリティーのマレー系の人たちが中流階級になってきたのはまだ最近です。街はとってもバブルの雰囲気でした。で、残念だったのは長年のマレーシア人の友人が「クアラルンプールは夜もひとりで歩けない街になってしまった。泥棒も増え、もうここに住んでいたくない」と言っていたことです。

明らかに、日本が高度成長した時代とは、文明の発展スピードが速いです。そのスピードに文化というか人がついていくのが難しく、歪みが出ているのは間違いないでしょう(中国の発展も過去20年そうですよね)。しかし、国や街の違いは“国の違い”ではなく、“時代の違い”が大きいとつくづく感じました。

ところで、12月のクアラルンプール出張は、APECのHRカンファレンスで講演が目的で、色々な国の人たちとご一緒できました。その時の様子は、以下でご覧いただけます。 https://www.facebook.com/notes/898086770201403/